卒業とは一言でいっても、学校だったり、恋愛だったり、卒業式だというけれど、何を卒業するのでしょう。 そこで「卒業」というタイトルのヒット曲におけるそれぞれの傾向を検証してみた。 いろいろ調べてみたが、単純に「卒業」というタイトルの曲ってそんなにないんですな。「卒業」という言葉を含むタイトルは多かったのですが、あえてここは頑なに「卒業」のみで。
【恋愛編】
卒業 / 斉藤由貴(1985)←デビュー曲でいきなり「卒業」って。
どうやら彼は学校では結構人気者らしい。 そしてその彼女はサッパリしているのか気が強いのか、今後訪れる環境の変化に対して冷静な判断を下している。 冷静にみるとこの歌詞は非常にクールですね。恋愛の主導権を女性の方が握っているという捉え方もできますね。そういう時代を象徴している歌詞だと思います。 この曲って同年に尾崎豊が「卒業」を出してるんですよねぇ。偶然ですな。 松本隆の作詞による「卒業して東京に状況する彼」という80年代くらいまでは定番といっていいほどのシチュエーション。しかしこの曲は同様のシチュエーションである、太田裕美「木綿のハンカチーフ」とは随分違う。「木綿のハンカチーフ」は東京に行ってしまった彼に「都会に染まらないで」といって健気に待っている。しかしだんだんと連絡がなくなり、「最後の我儘」として「涙を拭く木綿のハンカチーフを下さい」としめている。
卒業 / 菊地桃子(1985)
秋元康の作詞による、恐らくこの曲も都会にいった彼を想うという点では同じだが、この歌詞は、そう、回想なんですね。彼とは別れてしまったのでしょう。このサビの部分以外の歌詞は全て過去形で終わっています。 ホントは別れたくはないんだけど、彼が決めた生き方だから、素直に受け止める女性。美しい曲です。このシチュエーションで男女入れ替わったのが、大沢誉志幸「そして僕は途方に暮れる」ですね。
卒業 / A-JARI(1987)
完全に男性アイドルチックな歌詞で、卒業=オトナといった図式のストーリー。しかし好きな彼女にまだ想いを伝えてなくて、卒業式をきっかけにその子にこの想いに気付いて欲しいという臆病なオトコの子ですね。あ、親戚のねーちゃんが大好きなバンドでした。どーでもいーけど。
【青春編】
卒業 / ガガガSP(2002)
コザック前田の歌詞による恋愛というよりも旅たちといった趣の歌詞。男子にはなんとなくわかるこのフレーズのニュアンス。意地を張っている訳ではない、二者択一で自分の道をとるか、彼女をとるかで自分で選んだといったことなのでしょうか。自らを「青春パンクバンド」と言ったり、でも言われたら嫌がったり、ちょっと精神的にも不安定な前田の歌詞はこの曲のようなストレートさが光ってます。現在はインディーズで活動中。
卒業 / ZONE(2004)
完全に男の子がどーのこーのといった歌詞ではなく、新しい旅立ちへの第一歩といった、正に卒業らしい卒業ソング。わかりやすい内容が聴く層を選ばないものとなっています。バンドしてるアイドルというコトで「バンドル」などと自らをカテゴライズし、ただのアイドルではないぞ、的な。恋愛と言うテーマを省くことによって意思の強さが歌詞に表れてと思う。 で、最後に個人的に一番好きな「卒業」というタイトルの歌詞です。
卒業 / 長谷川きよし(1971)
彼は盲目のギタリストで和製Jose Felicianoと言われ、ボサノヴァ・シャンソン・サンバなどをいち早く取り入れて日本に広めた。その功績はかなり大きいと思う。去年、椎名林檎のアプローチによってライブのゲスト出演も果たしています。あ、めちゃくちゃギター上手すぎです。歌詞もフォークソング全盛期の1971年と考えれば深い意味だと思います。
〜引用〜
卒業 / 長谷川きよし
さようなら女の子 きれいな胸の女の子
お礼にバラがあげたくて
花屋を探しているうちに 春はどこかに行っちゃた
いやだな いやだな
鉄砲一本握りしめ
誰かを殺しに 風の中
馬鹿なはなしさ 大人になるなんて
〜引用ここまで〜
というわけで今回は「卒業」をテーマに送ってきましたが、 80年代くらいまでは職業としての作詞家が活発なので歌詞のなかにも色んな要素が織り込まれています。 90年代以降になってくると、解りやすいシンプルなものが増えたような気がします。しかし大きなテーマとしては「決断」ということでしょう。 んでは。
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管理人:isssac